バングラデシュの日本語学校へ

バングラデシュを訪問し、日本語学校を視察してまいりました。

私の周囲だけでも、多くのバングラデシュ人の方がダッカ市内で日本語学校を経営しています。

バングラデシュ国内の日本語学校数は、そもそも政府等の許可がいらないこともあって、正確な統計はわかりません。

海外への就労者送り出し機関を併設している大手日本語学校から、日本語が多少できる方がボランタリーに開校しているものまで含めると、相当な数の日本語学校が存在していることは間違いないと感じます。

ただ日本人教師が存在している日本語学校は非常に少ないのが現状です。

訪問した学校

今回は、開設したばかりの日本語学校3校と、歴史のある日本語学校1校を訪問しました。

多くはダッカ市中心部のオフィスで授業を行っています。1校だけ、ダッカ市郊外の広大な敷地で開校していました。

ダッカ市中心部の学校は、雑居ビルの中にあります。

バングラデシュ市民にとって、主な交通手段は公共バス、CNG(天然ガス)で走る三輪タクシー、リクシャです。

学生が学校へ通う際の便宜を図るため、多くはバスターミナルなどの接続のよい地で開校します。

教室に入ると、10人以上の生徒が椅子に座り、熱心に講義を聞き、日本語の発音指導を受けながら学んでいます。

郊外の学校は、バナナやジャックフルーツなどの巨木が茂る中に建物があり、そこで何人もの生徒が学んでいます。

郊外の学校は不便ではないかと思いましたが、都心部の想像を絶する交通渋滞がない分、生徒は通いやすいようです。

バングラデシュでは珍しく、女性も授業を受けていました。お話を聞いてみると介護の仕事に就きたいそうです。

生徒の熱意

どの教室に行っても、生徒が熱心に授業を受けています。

日本からの来客で、通常より集中していたのかもしれませんが、それでも熱気があふれていました。

授業の熱気に誘われて、真剣に講義を聞くことができれば、上達は早まることでしょう。

事実、私が訪問した学校では日本語能力試験でN4を取るまで1年程度を目標としているそうです。

日本での就労

私も生徒の皆様に、日本語と英語でレクチャーする機会がありました。

教室には特定技能での就労を希望する方だけでなく、技術・人文知識・国際業務(技人国)の資格で日本へ行きたい方も相当数おられます。

技人国でCOEを申請する際に、日本語能力の証明書は要求されません。

ただし入管当局が何度も発言しているとおり、技人国の方は日本語ができて当たり前です。

さらに大学以上で専攻した専門科目を生かした職種に就労することが前提です。

この事実が現地では完全に浸透しておらず、大学でMBAを取ったのだから、日本語はできなくても日本で働けるはずだ、という方には、求職紹介をお断りして、まずは日本語の勉強をお願いします。

少なくとも、私たちが今回訪問した日本語学校の生徒だけでなく、私たちが取り扱う申請において、日本で生活できるだけの語学力は身に付けた上で在留申請いたします。この点だけは、今後も企業理念として維持していまいります。

日本と諸外国の人材マッチングのために、今後も尽力してまいります。